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Frame of mind 1 気分(シリウス・一番町[シリウスプレス]2016 SPRING 掲載)

  • 執筆者の写真: 斎藤 徹
    斎藤 徹
  • 2020年9月5日
  • 読了時間: 1分

 何もしていない時、私たちは創造的な瞑想に耽ったり、心地よい白昼夢に浸ったりすることがあります。そして状況によってはネガティブな思考にも陥りがちです。

 こころが堂々巡りのループにはまった時、決まって体は動いていません。

 安静時には、デフォルト・モード・ネットワークという脳内システムが優位になっているそうです。このネットワークは、過去の記憶の呼び出しや将来の展望に重要な働きをしていると見られ、睡眠中に記憶の整理や定着に関わる一方、うつ病との関連性も指摘されています。その過剰な働きにより、過ぎたことを悔やみ、後悔を未来に反映させて思い悩むことになるのです。

 逆に、現実の課題に取り組んだり、意図的な活動をしたりする時はこのネットワークは鎮まり、知覚や運動に携わるさまざまな別のシステムが活性化されます。

 脳は絶えず機能しています。

 いつの間にか答えの出ないネガティヴ思考にはまったら、体を動かすことが必要なようです。背伸びをする。歩いてみる。水を飲む。体のどこかを動かすだけで気分が変わりそうです。


(シリウス・一番町[シリウスプレス]2016 SPRING 掲載)


 
 
 

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